映画

ーーー最近ブルーレイディスクで色々と映画を観直しているようですが。

「今頃になってブルーレイディスクの映像というのはこんなに綺麗なのだという事を知りまして、色々購入して観ています。」

ーーー80年代のアメリカ映画を中心に観ていますね。

「人生折り返し地点を過ぎたせいかも知れないんですが、今自分が観て素直に楽しい気持ちになれるのは、子供の頃に観たテレビの吹替版なんですよね。」

ーーー当時のテレビの映画放送というと、金曜日の水野晴雄さん・土曜日の高島忠夫さん・日曜日の淀川長治さん。

「そうです。
今思うと、映画に出会う環境として素晴らしく豊かだったと思います。」

ーーー当時、最も心を掴まれた洋画体験は?

「バックトゥザフューチャー。マーティの声が織田裕二さん、ドクの声が三宅裕司さんでした。」

ーーー織田裕二バージョンについては厳しい意見もありますが。

「他の吹替バージョンを観た事が無いのでわかりませんが、当時子供ながらとんでもない衝撃を受けました。
映画を観てあれくらい興奮した記憶はありません。」

ーーージャンルとしてはSFなのかも知れませんが、ヒューマンドラマとして本当に魅力的な脚本ですね。

「人生の楽しさの全てがある映画だと思います。」

ーーー続編の2と3については?

「まあ、あっても無くてもいいです。
1で終わりと考えると、本当に素敵な余韻で終われます。」

ーーー他に好きな映画は?

「エディマーフィーの、48時間とか、ビバリーヒルズコップとか、やはりテレビの吹替版で観ました。」

ーーー48時間の吹替版は本当に面白いですからね。

「初見が英語版だったら、ここまでのめり込まなかったかも知れません。」

ーーーこのように、最近は子供の頃に好きだった映画を観ているという事ですが、映画に限らず漫画でも小説でも音楽でも、何か新しくて面白いと思うモノはありますか。

「どういうモノを面白いと感じるかという、自分の中の感性の軸が固まってきたと感じています、これが歳を取るという事なのでしょうか。
こうなる事がわかっていれば若い頃に見聞を広げる旅をしたのでしょうが、その時の環境の中でできる事に限りがあるし、自分なりに精一杯やってきた結果の今ですからね。」

ーーーまるで晩年の様な語り口ですね。

「新しい何かと出会う事を諦めた訳では無いんですが、無理はしないで体力的に可能な範囲で、出来るだけ楽しんで生きていきたいです。
結局いつか必ず死ぬんだし、その時にどれだけ楽しい思い出を持てているかなのでしょう。」

ーーーでも思いがけず、例えば新しい恋愛が始まるかも知れませんよ。

「本当に。
思いがけず、向こうからやって来たりしますからね。
恋愛するぞと意気込んでもできない時はできないし、力まず気持ちをオープンにしておけば何か出会いがあるかも知れませんね。」

ーーーありがとうございました。